April 05, 2004

東京大学文学部21世紀COE 「死生学」プロジェクト

「死生学の構築」プロジェクトの概要

 2002年度に、東京大学大学院人文社会系研究科を中心とした、COE21世紀プログラム「生命の文化・価値をめぐる『死生学』の構築」が発足しました。
座長の島薗進(宗教学)は、死生学の意味について次のように説明しています。(本プログラムのニューズレター原稿より)

 「生命の文化・価値をめぐる「死生学」の構築」は、現代の知の布置の中でますます重い位置を占めるようになってきている「いのち」や「死」をめぐる諸問題について、ある広がりと深みをもった総合的な学知を構想し構築しようとするものである。
 死生学はまた、文明や宗教についての奥深い知の継承、発展を目指すものでもある。宗教・芸術・文学はいつも「いのち」や「死」を問い続け、描き続けてきたとも言える。
 個々のディシプリンがその伝統に根ざしつつ、「死生学」の方向へ新たな試みに踏み出していく、その力を結集したい。有望な研究領域群が頭をもたげつつあり、それらを括りながらあるまとまりを展望する語として「死生学」は確かに有効である。人文学の幅広い諸力を結集し、世界的は知的発信の拠点として名乗りを上げるにふさわしい呼称である。

 21世紀COEはご存知ですよね?大学における研究促進のため、各大学間(各プロジェクト間)で競争させて、有意義とCOE委員会が判断したものに対しては派手に金を出そう、というやつです(詳細)。で、現在東大文学部(人文社会研究科)で一番華やかに行われているCOEプロジェクトが、この「死生学」というわけです。

coeimage1.jpg

 プロジェクト自体は大変個人的に興味深く、その自分なりの評価は後日書きますが、まぁとにかく内部事情が面白い。たとえば宗教学と心理学みたく、各学科間の金の取りあいの裏話、教授と教授の争いが‥(略。「死生学」というテーマに設定したのは、予算配分する際に「潰しが利くから」という噂もあるくらい。個人的には実験室がぴかぴかになって大満足ですが。それでも、このテーマ自体は、応用倫理的に何を文学部(人文社会研究科)から発信できるのか、どうひとつの課題に各専門領域から協同しうるのか、という観点から非常に興味深く、個人的には浸りたいプロジェクトですね。

東大COE「死生学の構築」今後の予定

2004年4月8日(木)
17:00〜19:00
東京大学・法文1号館 217教室
講師:
Glennys Howarth
(Social Science Department, University of Bath)
講演題目:
"Current Developments in Death Studies in the UK and Europe"

 勇気ある人は参加すべし。(本郷キャンパス)

投稿者 gen : April 5, 2004 11:14 AM | トラックバック
コメント

はじめまして、私は宮城県の高校教員です。7年前から「死」をテーマに授業を展開しています。死を見つめることで、本来的生のあり方を考えてもらおうと、オウム真理教事件(地下鉄サリン事件)や神戸の少年Aの殺人事件を契機に、勝手に内容を組み立ててはじめました。なかなか体系性のないところで断片的な構成でやっています。体系的ではない、螺旋状にテーマへと近づいたり離れたり試行錯誤する過程にこそこのテーマの存在意義があるとも思いますが、一方で
より整理された「知識」もほしいとも。とりわけ「教材化」への多くのヒントがさらに欲しいと思います。
 今後とも先端の学問的成果を提供してしていただければ幸いです。          金子忠政

Posted by: 金子忠政 : May 13, 2004 11:41 AM

この12日のシンパジュームに参加しました。講演会のアンケートを出し忘れたので、メールさせていただきました。今後、情報を送付いただければ感謝です。
医療、教育というケアの現場からの報告を興味深く拝聴しました。文化、社会科学と実践的な臨床の場との学際的なプログラムの場が死生をめぐって開かれていることは貴重と思います。こうした場が、死生「学」という形で論理化、体系化されて収束するのではなくて、継続され、臨床現場と学の変化とともにもたれ続けていくといいと思いました。プロジェクトに関わっておられる方は大変と思いますが、エールを送り続けたいと思います。
私も大学で細々ながら昨年からほぼ毎月研究者と現場の医療者を交互に呼んで「死生観とケア」という公開研究会を行っています。(参加者は40名ほどです。)また、科研で研究会参加の看護師たちの協力をあおいで、訪問看護現場でのスピリチュアルペインの実態調査を始めようとしています。宗教学とターミナルケアの交錯する論点がスピリチュアルケアにあると考えるからです。

Posted by: 浅見洋 : June 14, 2004 10:04 AM
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