July 03, 2005

東大教授の給料

[etc.]

 さてさて、助教授・教授の方々、いったいいくら貰っているのでしょう。国立大学法人東京大学の役職員の報酬・給与等について(リンク先pdf)なんてのがリリースされたので、少し見てみよう。(注:手取り金額ではない)

money.jpg

 平均給与額にして、30代後半で750万前後、40代前半で800万前後、40代後半でようやく大台1000万に乗り、あとは1200万まで行くか行かないか‥といったところか。ちなみに全教員の平均給与総額は954万円、2861人、平均年齢45.4歳。まぁ棒級やら担当コマ数やらで相当ばらつきはあるのだろうけど。また、印税(専門書の印税はあまり高くないが、一般書を書いて当てれば‥)や講演の報酬などの副収入も大きいだろうな。上記の金額に加えて。あ、東大総長でも2500万円。そりゃ、某教授も某私大に逃げ出すわな。給料良いし、雑用も少ない=研究に集中できるし。


money2.jpg

 隊長!助手の身分が苦しいです!


 結論:学者は決して儲かる仕事じゃありません。あれ、なぜだろう、涙が‥

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May 31, 2005

東大教師が新入生にすすめる本2005年版

[etc.]

 はいはい、去年も紹介しましたが、ちゃんと2005年版がやってきましたよ。

2005年「UP」4月号アンケート特集「東大教師が新入生にすすめる本」


 個人的に読みたいと思ったのは、以下の2冊。


4413090101自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか
岡本 太郎

青春出版社 1993-08
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繁華街の近代―都市・東京の消費空間
4130611267初田 亨


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May 30, 2005

東京コロキアム2005

 かなり本格的な理念骨子に基づくイベント。参加自由、参加登録受付中。さて、理念に見合うだけの実が伴うイベントとなるかどうか。


 国連「持続可能な開発のための教育の10年」と愛知万博「自然の叡智」の開始と同時期に、東京コロキアム2005という特別な討議の場で、この分野の関係者が集まり意見交換を行うこととなりました。ノーベル賞受賞者、大学指導者そして学界、行政、企業の著名人が集結し、環境と社会の持続可能性に関する教育の展望について議論・探究します。

§ 教育と持続可能性に関して最先端の考えを交換し知識を共有するセッションを設けること。
§ 一般の参加者だけでなく、教育と持続可能性に関する専門家、ビジネス、科学、政治の分野の関係者を招集すること。
§ 自然/社会科学の高等教育において、対処すべき能力を構築するにあたって優先順位を明確にすること。
§ 参加者が分野の枠を超えた活動や共有された価値観を探す機会を提供すること。
§ 専門家のためのセッションだけでなく、教育と持続可能性についての理解を深め重要な事柄を明らかにする目的を持った当事者間で話し合う機会も提供すること。

★非公式セッション
 非公式セッションは、専門家と関係者間でのネットワーク作りやビジネスの代表者あるいはスポンサーが各分野で活躍している著名人と出会う場を提供するために企画されています。このセッションは、高い地位の関係者などによるディナー・スピーチや短い発表という形で提供され、特別の場所で開催されます。
★専門家セッション
 このセッションは教師、ジャーナリスト、オピニオン・リーダーといった持続可能性教育の専門家向けのもので、詳細な専門的な討議がおこなわれます。このセッションでは、教育者とその教育機関という観点から、特定の議題が扱われます。専門家セッションは、専門家による発表と専門家全員が参加するセッションとから構成され、聴衆からの質問も受け付ける予定です。
★一般セッション
 一般セッションの目的は、一般の人々に持続可能性教育の重要性を今以上に喚起することにあります。また、このセッションは、専門家セッションの結果を発表するとともに、参加した日本とスイスの機関の成果を発表し今後の活動の支持を得るフォーラムの役割を果たす場ともなります。

6月9日(木) 13:00−18:00,
東京大学本郷キャンパス
スピーカー:リヒャルト・エルンスト(ノーベル賞受賞者)、野依 良治(ノーベル賞受賞者、理化学研究所理事長)、ディーター・インボーデン(スイス科学技術カウンシル理事長)、吉川 弘之(産業技術総合研究所理事長)、ベルトラン・ピカール(探検家) など。

6月10日(金) 法政大学 市ヶ谷キャンパス
6月11日(土) 国連大学 表参道UN ハウス

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May 29, 2005

世界に向けて授業内容を公開――UT OCW

[etc.]

 ついこの前話題を集めていたのが、大学の授業科目カレンダー、シラバス、講義ノートや教材などをを世界に向けて公開する試み、OCW(オープンコースウェア)。東大のはコレ

 2005年度は、理学・理学系研究科、工学・工学系研究科、医学・医学系研究科、数理科学研究科、新領域創成科学研究科、学際情報学府で開講されている総計10の授業科目についてOCWによる公開を実施します。公開は原則として日本語・英語で行い、今後は毎年10授業程度を目指してコンテンツを増やしていく予定です。UT OCWの特徴のひとつは、シラバスを横断的に検索し、俯瞰的に可視化できる「知の構造化ツール:MIMA Search」を実装していることです。MIMA Search を用いると、東京大学で開講されている授業のみならず、OCW 形式で公開された他大学の多くの授業シラバスを瞬時に検索し、各授業科目の関連性を様々な角度から俯瞰することができます。

 UT OCWは、東京大学が推し進める「知の構造化」を教育の面から支援する事業の一環として位置付けられており,東京大学教育企画室に設置されたe-learningワーキンググループを母体とするUT OCW事務局で運営されています。(参照

 なんか、どれもこれもしょぼいな‥。「知の開放」という崇高な理念を掲げるなら、もう少し初っぱなから華やかにやった方が良かったのではないか。情報学環では授業の録画ビデオをネットで見れるくらいなのだし。そういえば哲学教授の一ノ瀬正樹さんはいつも英語でレジュメを作っていて、「来るべきOCWの時代を見越して」と言っていたが、彼ほどのキレ者がそういうならば、「なるほどなぁ」とOCWの意義を認めてしまうのであった。

4326153571原因と結果の迷宮
一ノ瀬 正樹

勁草書房 2001-09
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May 23, 2005

金大中をさがせ

 なーんかイカツイ兄さんが多いなと思いながら煙草吸ってたら、いきなり金大中(前韓国大統領)が登場。うしろからヒョロリと土井たかこも。ああ、実は彼女のモノマネが十八番なんだよって伝えたかっただなんて誰にいえばよいのだろうどうしよう。

dejyun.jpg

穏やかな一日だったのにねえ。

oda.jpg

 それにしても本郷がいつのまにか華やかになったな。女が綺麗になった。カップルが増えた。空が蒼かった。風が優しかった。自分は歳とった。以上。


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May 22, 2005

複雑系科学と歴史学の対話

 人文学(歴史学)と、複雑系科学の対話が企画されてます。ヤバイ面白そう。

情報学環(駒場)主催  対話による複雑系研究会(第二回)

    「歴史の理論はいかに可能か?」

対話者
 桜井英治(北海道大学文学研究科:日本中世史)
 金子邦彦(東京大学総合文化研究科:複雑系科学)

司会 安冨歩(東京大学情報学環:近代日本植民地史/複雑系科学)

日時:2005年6月8日(水) 午後3時から6時
場所:東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1
入 場     無料(事前申込不要)  定員50名
問合せ先   安冨歩  yasutomi@ask.c.u-tokyo.ac.jp

====シリーズのねらい====================================
「複雑系科学の観点から世界はどう見えるか」をテーマとした対話型の研究会を
企画いたしました。
「人を招いて喋ってもらって話を聞く」という形ではなく、登壇者の研究を題材
として対話を創り出してゆくというスタイルを採用いたします。
=====================================================
第一回は生態系の挙動をテーマとして、時田恵一郎・池上高志・深見理のお三方
に対話していただき、予想を上回る盛り上がりとなりました。これによって「対
話」の形式に自信がつきましたので、1回でやめないで、シリーズ化することと
いたしました。

第二回は日本中世史研究のエース櫻井英治さんと、複雑系科学の生みの親ともい
うべき金子邦彦さんをお招きします。櫻井さんはその著作『日本中世の経済構
造』(岩波書店)が示すように、緻密な実証と深い理論的想像力をあわせもつ方
です。金子さんはここ数年、『生命とは何か』(東大出版会)に結実した複雑系
研究のアプローチを社会の理解に拡張すべく研究をすすめておられます。その成
果の一部は司会者との共著論文「経済学から歴史学中心の社会科学へ」
(http://chaos.c.u-tokyo.ac.jp/papers5.html)などに示されております。
この研究会では、膨大な史料への耽溺のなかから櫻井さんが紡ぎだされた歴史の
ダイナミクスのイメージを出発点とし、それを数理的に語るための枠組みを求め
る対話を展開したいと考えております。

具体的には、秩序が突然崩壊するのはなぜかを主題とします。ほとんど磐石と思
われた体制がいともあっけなく崩壊してしまったり、崩壊後に出現した体制が崩
壊前のそれにくらべ、かえって古い様相を呈していたりといったケースは、歴史
上しばしばみいだすことができます。歴史家は、それらの現象を何か特定の要因
から説明できないかと苦心惨憺するものだが、そうした試みはたいがい挫かれて
しまうようにみえる。複雑系という考え方が、このような歴史家の苦境を救う救
世主となりうるのかどうか、その点に歴史家は期待します。中世日本社会が発達
させたさまざまな経済システムと、15世紀末〜16世紀に突如訪れたそれらの崩壊
について櫻井さんに紹介していただくところから議論を始めます。
(安冨 歩)

4130623036生命とは何か―複雑系生命論序説
金子 邦彦

東京大学出版会 2003-11
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April 02, 2005

メディアとしての建築

メディアとしての建築  東京大学総合研究博物館


medi.bmp


 東京大学総合研究博物館における2005年1回目の特別展は<建築>をテーマに取り上げます。建築を含む全ての人工物は、多少ともメディアすなわち情報媒体の役割を担うと言えるでしょう。本展覧会では、もう少し焦点を絞り、その時代の建築・芸術の思潮に大きな影響を及ぼした建築の図像(例:ピラネージの版画など)や、国力や産業技術の力を謳い上げるために作られた建築(例:万国博覧会の建築)などに照明をあて、メディアたるべくデザインされた建築というものを取り上げたいと考えます。

 展示物は、明治時代にヨーロッパから持ち帰られたG・B・ピラネージによる古代ローマの想像的復元図ほかの版画集(東京大学総合図書館所蔵)、18 世紀の建築家による古代の建築遺跡の想像的復元の書物、万国博覧会の歴史に関する諸資料および映像などです。18世紀以降の近代という時代のなかで、建築が何を伝えようとしたのか、そのためにいかにデザインされたかを展示を通して見ていきます。

スケジュール
2005年02月05日 〜 2005年05月08日
アーティスト
G・B・ピラネージ

ホームページ
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/real/#exhibition
入場料
無料
アートスペースの開館時間
10:00から17:00まで
月曜休館
月曜日が祝日の場合は月曜日開館、翌日火曜日休館

 ヤバイ!これは確実にツボなので、近日中に顔を出して、もしかしたらレポでもupします。入館無料!ってか、<A○B>ならば○が必ずメディアとなるわけで、その意味で建築は絶対的にメディア。遺伝子と同じくメディア。生態学的なもの、生物学的なもの、意味的なもの。どの次元のメディアとして捉えるかは自由だが、やはりレム=コールハースの意味の分断の仕方なんかは最高だよなと思う。

錯乱のニューヨーク
レム コールハース Rem Koolhaas 鈴木 圭介

筑摩書房 1999-12
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 ついでにやってるコレもかなりヤバイ。

特別展示 「『Systema naturae』〜標本は語る〜」展

会期
平成16年10月2日(土)〜平成17年5月8日(日)
休館日
月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し翌日休館)及び2月25, 26日
※12月26(日)〜2月4日まで閉館
開館時間
10:00-17:00(入館は16:30まで)
会場
旧館展示ホール
入館料
無料

 18世紀にいたるまで植物、動物、鉱物などの自然物は神の創造物と考えられてきたが、自然界に存在するあらゆるものを秩序立て、分類の大綱を示すことに成功したのはリンネであった。1735年にリンネは Systema naturae(自然の体系)を著し、自然物を鉱物界、植物界、動物界の3界に分類した。博物館は自然物を収集し自然の体系の解明を目的として誕生したのである。そこでの研究によって、自然物は進化を通じた生成物であることが明らかになった。本展示は、博物館での自然史研究から得られた「自然の体系」の様相を、収蔵する標本で具体的に展望しようとするものである。


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April 01, 2005

本場の儒教で死生観を語れ!

http://www.l.u-tokyo.ac.jp/shiseigaku/ja/yotei/yo_050423.htm

jyu.jpg

■ ついでにこれも。

 ヒトの「生」や「死」はモノの「価値」のように集計してよいのだろうか?反功利主義者は集計してはならないと主張する。もしこれが正しければ、5人の生を救う道徳的義務は1人の生を救うそれと全く無差別なのだろうか?道徳原理と倫理的現実の交錯から発するこうした問いをめぐって、オックスフォード大学で活躍する日本人の若き新鋭が論じます。どうぞご参集ください。 (一ノ瀬正樹)

広瀬巌氏講演研究会
個人間集計とその制限
(Aggregation and the Individualistic Restriction)
日時 2005年4月8日(金)16:00
場所 東京大学文学部哲学研究室
講演者 広瀬 巌
(オックスフォード大学フェロー)

■どなたでもご自由に参加いただけます(無料)。事前のお申し込み等は不要です。

 誰かさんが好きそうだな。笑 えっ? 参加自由だから、東大の哲学研究室に足を踏み入れてみよう。

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March 31, 2005

ハーバード主催の学生国際会議でアジアについて語れ!

HPAIR(Harvard Project for Asian and International Relations)とは?  HPAIR は、アジア太平洋地域を取り巻く国際問題に関心をもつ世界の学生の交流のために、ハーバード大学を中心に1991年に設立されました。現在世界12ヶ国26大学にネットワーククラブが存在し、今年で13回目の開催となります。今年は、1991年以来初めて日本での開催が決定しました。毎年3000以上の応募から世界33カ国以上500人の人が集まり、アジアと国際問題について、熱く議論を行います。 もちろん、議論だけではなく事前周遊ツアーやInternational nightそしてHPAIR最後の夜を豪華に飾るGala Partyなど分科会を超えた交流ができる事は間違いありません。 年に一回のチャンス!是非参加してくださいね!

■今年のHPAIRは?
◇テーマ:『Futuring Asia:Contemporary Challenges and Emerging Realities』
◇開催地:東京(日本)
◇共催:東京大学/六本木ヒルズ
◇宿泊場所:ANA全日空ホテル(交渉中)
◇開催日程:2005年8月22日〜25日
◇費用:300$

◇分科会テーマ
Interest, institutions and identities
東アジアにおける安全保障政策
A Matter of Trust
市民社会における信頼の役割とアジアにおける法の役割
Higher Education and Active Citizen Ship
高等教育:東アジアにおける大学の公共的役割
Reinventing Diaspora
ディアスポラ再考:移民を通して見るグローバリゼーション
Visualizing Asia
現代アジア芸術における世界と国の文化
Global Health Systems
グローバル・ヘルスケア・システム―より高い水準を目指して―
※分科会では3日目にField Tripが組まれることがあります。

◇International Night(国際文化交流会)
 各国の代表者たちが、参加者の前で出し物を披露。伝統舞踊や、歌や音楽、さまざまな国が参加しているからこその楽しみです。もちろん、皆さんも参加しますよ!

 アジアを研究したいなら間違いなく(モチベーションを高めるという意味で)オススメだけれども、個人的には、興味ある人はどうぞ、という感じかな。

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March 30, 2005

人間の安全保障と東大人文科学系の世界ランク

 お久しぶりです。駅の線路沿いに桜祭り用の提灯が光無く揺れている今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。以前紹介して、ある程度関心を引いた「人間の安全保障プログラム」ですが、毎回やっているセミナーが面白かったりします。興味のある方はどうぞ。

第8回HSPセミナー 『スマトラ島沖地震被害と復興の課題 ─人間の安全保障の視点から─』 日時: 2005年4月13日(水) 18:00-20:00

場所: 東京大学駒場キャンパス 2号館 3F 308教室
司会: 森山 工(東京大学)
報告者: 長 有紀枝(東京大学 「人間の安全保障」プログラム博士課程・ジャパン・プラットフォーム)  
コメンテーター: 西 芳実(東京大学 地域文化研究専攻)

 ちなみに司会の森山さんは自分の仏語教師だった。まぁ、安全保障的な研究的なプログラムとしては、「日本学術振興会 人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究事業領域供(刃孫獣曚妨けた知の再編 ジェノサイド研究の展開」なんてのも行われているような。具体的な発表pdfも見ることができて面白い。経済でもアクチュアルな政治でもない、人文・社会諸科学が、どのように平和構築に貢献できるのか。社会工学的にではなく、どのように、制度を安定化へ導き得るのか。人文・社会諸科学があるひとつの問いを突きつけられている現場でもあります。

 ってか、意外にも(?)、THESによる大学ランキングによると、東大の人文科学(The arts and humanities)分野は9位に位置しているそうな。日本の大学としては、その他、京都大学が15位にランクイン。ランクに馴染まない分野ではあるけれど。むしろ上記のような、具体的な形で試されるべきだとは思う。

  先日、The Times Higher Education Supplements (THES) の発表した世界トップ200大学で東京大学が12位にランキング、また自然科学、工学・情報工学の分野でいずれの分野でも7位にランキングされた旨それぞれご報告しましたが、このたび人文科学分野でのランキングが公表されましたのでご報告申し上げます。今回は世界のトップ50大学を、人文科学(The arts and humanities)の分野でランキングしており、東京大学は9位に位置しています。日本の大学としては、京都大学が15位にランキングされています。
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January 26, 2005

独立行政法人化、学部授業料は1万円up

[etc.]
学生の皆さんへ ―来年度東京大学の授業料について 平成17年1月25日 東京大学総長 佐々木 毅

 平成17年度の政府予算において、国立大学の授業料設定の基準となる授業料標準額を、現行の52万800円から53万5800円に引き上げることが提示されています。この標準額の引き上げが、国立大学法人化が実施された最初の年に、政府からあたかも当然であるかのように提示されたことを、東京大学はきわめて遺憾に受けとめています。

 以前は、政府の決定がそのまま授業料の値上げになっていましたが、法人化後は、授業料の最終決定は、標準額の10%増しを上限として、個々の大学の判断に委ねられるようになりました。では、東京大学には、標準額の値上げにもかかわらずその授業料の値上げを見送るという道があるのでしょうか。これは、残念ながらきわめて困難です。まず、国から交付される運営費交付金は、標準額による授業料収入があることを前提として措置されており、授業料値上げを見送ることは大学にとっては減収を意味しています。さらに、授業料収入の不足は年度ごとに累積する性格のものです。しかも、運営費交付金には効率化が課せられ、事態はますます深刻化します。法人化初年度で、まだ財政の見通しが確立していない段階で、累積性をもつ授業料据え置きを決めることは、大学にとっては危険な冒険にならざるをえません。また、法人化以後、東京大学でも基金を設けるなど独自の財源の確保に乗り出していますが、この努力も緒に就いたばかりで、授業料の値上げを見送る穴を埋める力はまだありません。

 したがって、きわめて遺憾ではありますが、現状では、標準額が引き上げられた場合は、東京大学としては、授業料の値上げを皆さんにお願いせざるをえない状況にあります。

 しかしながら、同時に東京大学は、「経済的に貧しくとも、優秀であれば東京大学で勉強できる」という伝統を、21世紀に継承したいと考えています。

 むしろポイントは総長が理系の人間にかわると言うことだな。末恐ろしいよ。マジで。佐々木さん、もうちょっと頑張って欲しかったのに。蓮見2号(量産型)はどこかにいないものか。

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東京大学の世界ランクは12位

[etc.]
The Times Higher Education Supplement (THES) の発表した世界トップ200大学で東京大学が12位にランク

 11月4日付けのTHE TIMES紙によりますと、世界トップ200大学で東京大学が12位にランキングされました。
  なお、佐藤学教育学部長によれば、このTHESは、The Timesの別冊で高等教育に関しでは世界でトップクラスの権威のある雑誌だということです。

 本ランキングは、同誌独自の調査に基づき、今回初めて発表されたもので、根拠としては以下の5つを評価項目としている。(1)Peer Review (1000)、(2)International Faculty (100)、(3)International Students (100)、(4)Faculty/Student (400)、(5)Citations/Faculty (400) 。括弧内の数字はそれぞれの項目の重さを表している。これ以外の項目例えばノーベル賞やフィールズ賞受賞者の数などについては今回敢えて除いたという。第一の項目はQS (The World's leading network for careers and education : www.qsnetwork.com) を、最後のものは先般新聞紙上でも話題になったThompson Scientific (the Essential Science Indicators : www.isinet.com) の情報を利用している。その他の項目は各大学がインターネットなどで公表しているものであるという。Peer Review を主として扱うなど、かなり客観性に配慮していると見受けられる。Peer Review を採用すると評価が安定する傾向があることが一般的に言われており、ゴーマンレポートなどでは使っていない。さらに分析でも、特に文系諸学部の評価において英語使用国が有利であること、理工系大学の評価が高くなること、などきちんと述べられている。
  その結果を数値で表すために、総合評価で1位である Harvard University を1000.0として標準化している。結果としてアメリカやイギリスの各大学が上位を占め、オーストラリアやカナダの大学も相対的に高く評価されている。香港の大学もランキングに入っており、英語圏の優位が現れている。
  アメリカとヨーロッパ以外の地域では、東京大学、以下 Australian National University、北京大学、National University of Singapore、Melbourne University、京都大学、という順序である。全体では、東京大学が12位、京都大学が29位、さらに東京工業大学、大阪大学、東北大学、名古屋大学が200位以内に入っている。200位以内には42校が、アメリカ・ヨーロッパ以外に地域からランキングされている。
  Peer Review に付いて言えば、上位10位にはアメリカとイギリス以外からは東京大学(7位)と北京大学(10位)だけが入っている。日本の大学は上記評価項目のうち、(2)と(3)は評点が低い。上位にランキングされている大学はこの点でも高い評価を得ているが、アメリカやイギリスの大学すべてが外国人スタッフと外国人学生を多数採用しているというわけではない。
  東京大学について、「日本の社会、経済の改革の遅さに影響されているかもしれない」という意味のコメントがつけられているが、これは日本の大学全体に言えることであろう。この点で法人化後どの位大学が日本の社会で独自性を発揮できるかどうかが今後の動向の鍵となるだろう。そのせいかどうか、日本の大学の評価は実際よりも低くなっているような印象がある。

 コメントは後で。

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January 23, 2005

東大後期試験、ないし小論文の書き方入門

 2005/07/03、ちょっぴり加筆修正しました。『社会科学系小論文のトレーニング』をマンセーしておきます。

 大学受験、入試もいよいよ終盤戦。懐かしのVゴールってかサドンデスですよ。まぁ改めて書くほどのことでもないのだが、精神安定剤のような意味で、このサイトの原点に関するエントリー。前期落ちて「ぶっつけ後期だ対策してねーやべー」って人も想定しながら、若干のコメントをば。

■論文1
 まだ対策立ててないひとは過去問を解くこと。過去問第一。研究せよ。とにかく、要約は点稼ぎポイントなので、落ち着いて丁寧に解くこと。ディベート問題は、論点をひとつに絞って明確に論じることが最大のポイント。字数が少ないので、あなたがAかBどちらの立場に立つかを決めたら、AとBで争われる論点をなるべく狭く絞って、自分の主張の根拠を述べること。だらだらと書かない。絞れば絞るほど切れ味が鋭くなる。

 課題文ではAとBの論点(良い面と悪い面)が両方書かれているはずなので、課題文中に書かれている議論を無視せず、その議論をきちっと受け止めた上で自分の主張を書くこと。これは大事なこと。課題文で扱われているテーマだけ取り出して勝手なことを書くと、点数がつかない。課題文中の議論内容に応答する形で書くこと。なお、どちらの立場を選ぶにしろ、反論を想定して論駁するという形で書くのが望ましい。「たしかに(反対の立場に立つと)〜。しかし、(私の立場では)〜」という形で。譲歩→主張構文。英文読解でさんざん読んできたアレを思いだして。「自分の主張→譲歩→ふたたび自分の主張→結論」。これがディベートの書き方だ。

■文1
 主権国家原理、法の支配、個人と国家、市場原理、近代の法、政治の理念、自由と共同体、人権、民主主義、グローバリゼーションに伴う衝突の問題等。テーマごとに自分の考えを必ずまとめておくこと。時間がある人は、『社会科学系小論文のトレーニング』がかなり役立つでしょう。この参考書は本当にお薦め。腰を据えて取り組もう。ネタがない人は大急ぎで『小論文を学ぶ』を読む。十分な本ではないが、時間がないなら仕方ない。この本を見直す人も、上記の諸問題について自分の考えをまとめるつもりで。前期終了後時間がとれる人は、『小論文を学ぶ』よりもむしろ、『現代法社会学入門』『現代理論法学入門』あたりが相当良いらしいですよ(某優秀な先生絶賛w)。この二冊だけで十分という噂。でも、私も読んだが、これらの本は難易度が高いし、時間がかかるし、骨が折れる。初級者や中級者は、『憲法への招待』からはじめて、その他は小論文対策/読書リストのページを参考にして。とにかく、本当に、あらかじめ各テーマごとに意見をまとめておくと、それを応用して書きやすくなる。精神安定剤にもなるから、やっておくこと。今年は国連ないし国際法関係もクサい気がするのだが、杞憂だろうか。

■文2
 某先生の意見だと、1.『市場社会の思想史 「自由」をどう解釈するか 』、2.『思想としての近代経済学』、3.『現代経済学の名著』の順に、読めるところまで読むのが良いっぽい。というか、これは京大経済論文にも有効な対策。‥と書いたのですが、付記しておきます。第1に、参考書としては、やはり、『社会科学系小論文のトレーニング』がかなりオススメ。とっかかりとして、これをみっちりこなそう。第2に、文2後期はやや特殊な問題形式となっているので、読書だけでは埒があきません。独特の問題に慣れる必要があります。過去問演習+添削を受けましょう。Wieなんかも利用して。

■文3 
 対策なし。あなたの総合力と人間性が試される。一つだけコツをいえば、「課題文に振り回されるな」ということ。自分の得意なテーマに持ち込め。そしてそのテーマから、各課題文に言及していくと、論点を拡散させずにうまく字数を埋めることが出来る。もちろん忘れてはならないのは、設問の要求にちゃんと従うということ。設問文を無視して書き始めると即不合格なので、気をつけて。設問をじっくり吟味する。そして何をベースにするか、自分の得意な主題を意識しながら課題文を読む。そして、自分の得意な主題を、設問要求に応じた形で、展開する。その上で、自分の得意なテーマに、各課題文を「言及する」という形で取り込んで利用してしまえ。

 自分の合格答案よりレベル低くても友人は合格していたみたいなので、安心して。イヤミとか自慢じゃない。もっと論が拡散していても、どこかに鋭さが見られれば受かっていたそうな、ということ。河合塾の解答例なんてちょっと逝ってるしな。どーなんだよコレは。アリなのかな。本当に、最近は設問の縛りがキツイので、設問の指示には十分に配慮すること。東大の公式コメント、文3論文2では「人類の思想、歴史、言語、行動、教育および文化全般に関する諸学をめぐって、入学後それらを意欲的に学習・研究するための基礎を問う。理解力・表現力・思考力をみるが、特に正確な知識に裏付けられた独創性を評価する 」とのこと。去年の問題の合格答案は駿台の過去問集2ch東大後期スレ過去ログ3の>>701&>>711にあるからチェックしてみ。そのうち一人はうちのサイトの常連さんだったけど、今頃何してるんだろうなー。

■いきなり対策なし後期試験
 全く対策を立ててこなかった人は、とにかく過去問を解いてみる。河合塾のサイトのを解いても良いし、駿台の東大後期過去問題集(←これはかなり質が良い)を慌てて買っても良い。もう時期的に過去問演習しかない。そしてネットの人は河合塾の分析コメントと照らし合わせてみる。過去3年分くらいはやっておくこと。あとは時間がないから、あなたの底力しだい。でも受かるヤツは受かるんで、自信を持って。才能があれば、突破できる。設問の指示をきちっと意識して、課題文をうまく利用しながら書こう。また、論点を絞り明確にしながら書くこと。「自分の主張→譲歩→再び自分の主張→結論」という小論文の基本構造を意識すること。自分の主張→自分の主張と反対の立場を想定しながら書く→それへの反論を書きながら自分の主張を深める→結論。この基本構造で字数は埋まる。ある意見には論拠をきちっと示すこと。感想文をかかない。繰り返すが、自分の主張には必ず論拠を述べること。反論者を常に想定しながら書くこと。自分で自分に逆の立場に立ったつもりでツッコミながら書くこと。安易に「〜べき」論を書かない。文章に自信があるならば、思い切って自由に書けばよい。

 時間があるなら過去問の添削をWIEに依頼して。大急ぎで相談してみよう。友達か親兄弟に読ませて指摘してもらうだけでも効果アリ。自分だけで処理すると不合格。人様の冷静なコメント(「ここよくわかんない」「論理一貫してなくね?」)を頂こう。そして余裕があれば、書き直すべし。小論文の基礎についてはこの平尾先生のページでも読んどくべし。東大後期の去年のテーマはこれだ。

祈ってるよ。頑張れ!

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December 15, 2004

東大生が東大への下世話な質問に答えるpart.1

[etc.]

 受験生、この時期にはポップな話題でなごみたいもの。毎日が堅苦しいしな。ってわけで、東スポやBubuka並のエントリーシリーズ第一弾。偉そうに書いてみたよ。

Q.上京して一人暮らしなんだけど、駒場の1、2年はどこに住むのがオススメっすか先輩?
A.断然おすすめは下北沢。おしゃれな街だし、近いし(3駅程度?)、何一つ不自由はない。おしゃれな街ということは、飲み屋や、映画・ライブ・演劇など、それだけ文化資本もあつまっているということ。それに囲まれて生活すると趣味の世界が広がる。ただ華やかすぎてしんどいならば、井の頭線沿いの、下北よりも吉祥寺寄りがオススメ。久我山とか。家賃が下北から離れるにつれ安くなる。たいてい東大生はそこに集まる。えっ、俺?俺は何故か東横線の菊名に住んでました(慶應のある日吉よりも横浜寄り。おかげさまで横浜・代官山・渋谷を満喫できたけど、通学40分は激しくめんどい。チャリ通に勝るものなし)。ちなみに前期試験組は家を確保しやすいが、後期組は何らかの妥協(1階・日当たり悪し、など)をしないと、家を確保できない。家賃8万5千以上払うなら話は別だけれども。家賃の平均的相場は6万7千〜7万7千円くらいかな?

Q.駒場生ってどこで遊んでるの?
A.基本的に渋谷か下北沢。ともに、井の頭線駒場東大前駅からすぐ近く。渋谷のスクランブル交差点も大学から歩いて15分程度。映画とか音楽とか好きな趣味がある奴は、飛び回ってます。飲みは下北か渋谷。ちなみに駒場に飲み屋はないよ。


Q.東大に可愛い子はいるの?やっぱ勉強ばっかでおしゃれに気を配ってる子とか少ない?
A.いる。駒場は目を惹かれるような子が特に多い。顔・スタイルで「おっ」と思わせるのは全体の1〜2割程度かな?おしゃれな子は少ないけど、JJかぶれのお姉系や、miniに影響受けてそうな原宿/代官山系もいる。4〜5割程度の子は何かしらおしゃれに気を配っているけど、実際にあか抜けていると感じる子は2割程度かな。どこかしら、「ちょっと違うな‥」ってのが残る人が多いのも事実。残りの5割は、外見には結構無頓着‥。基本的には、落ち着いた、ちょいお姉気味のスタイルが主流。個人的にはもう少し冒険して欲しいところ。ごくまれにZipperっぽく飛んでる子とかもいる。


Q.東大にカッコイイ男の子はいるの?おしゃれさんは?
A.いる。これも割合的には女の子と同じくらい。あか抜けてるのが2割、まあ頑張ってるってのが3割、無頓着が5割。顔立ちがイケてる子は、そりゃどこの大学でもいるだろうよ。じゃあその5割のうち、おしゃれといえば、俗にいう「丸井系」(小綺麗目な無難おしゃれ)が約3割かな。でもどこかあか抜けきれてない感じがする。その他smartっぽい原宿系が1割。最近は少なくなったけど。あとは下北沢が近いということで、古着mix系のおしゃれさんも1割程度いる。美容師並みのイケてる度を漂わせている子はごく稀。中途半端なサーファーチックもごく稀。ギャル男・ワイルド系の比率が少ないのもこの大学の特徴(0.5割程度)。ハイファッション系は0.5割くらいかな。一番多いのはテニサー所属の「えせさわやか系」(アッシュ系の茶髪とかに、丸井系ブランド・BEAMS・SHIPS・UNITED ARROWS程度の服を無難にあわせる)で、東大の女の子にはこれが一番ウケが良い。何故だろう。やる気なくすっちゅうねん。


Q.東大生の恋愛事情とかそこんとこどうなのよ?
A.男:
2割→テニサーに所属(学外系だと東京女子大学・日本女子大学・お茶の水・聖心女子・白百合などと1年の夏〜秋ごろから付き合い出す。新歓のころは新歓コンパでめらめらと炎を燃やす。「俺がお持ち帰りされちゃったよー」とか自慢する馬鹿もいる。学内系だと、スポ愛/トマト/グリーンなどのサークルに所属。無難に東大生どうしで5月頃から付き合い始める。基本的に半年以上続く傾向が強い。どろどろになる傾向あり。)。いざとなったら合コン人脈も確保しているので強い。
3割→クラス中心の学内恋愛、あるいは文化系サークル(オーケストラとかバンドとか映画とか写真とか経済研究系とか法律系とか)でのさわやかな恋愛。正直この世界はよくわからないが、長続きする傾向が強い。人柄に凄い魅力のある奴も多し。
1割→バイト先、自分で作ったイベントサークル、旧スーパーフリーみたいなとこで大暴れ。あるいは合コンの鬼。
4割→恋愛には結びつきにくい傾向。

女:
2割→学内系スポーツサークル所属。そこで普通に彼氏を見つける。1年のクリスマスまでに出来ないと、その後もできない確率高し。
3割→文化系サークルやクラス内恋愛。男の外見ではなく中身に異常にこだわりを持つ傾向が強い。基本的に優しい人が好き。また東大も人数比が男>女の世界なので、基本的に女の方が有利に立ち回れる。
1割→バイト先で全然違う大学の人かフリーターと付き合ったりする。このタイプは自分に芯を持っている場合が多い。慶應の男が人気高し。何故か東大女で合コンフェチは少ない。
1割→高校の時からの知り合いと付き合う。あるいはずっと付き合っている。「3年続いている」などのセリフを平気で吐く。
3割→恋愛には結びつきにくい傾向。


第2弾での質問がある人はここのメールフォーム(匿名可)から何でも(くだらないの大歓迎)送ってくださいね。

Posted by gen at 06:40 PM | Comments (0) | TrackBack (1)

December 08, 2004

UTCPワークショップ「身体の思考・感覚の論理」

 やばい。これはかなり面白そう。大澤真幸さんまでいらっしゃるとは。「身体/感覚」なんて都合良く曖昧模糊としている言葉であって、それを実際に用いる際には、考えるべきことが山積している。さあ、このワークショップは何をもたらしてくれるのか。

UTCPワークショップ「身体の思考・感覚の論理」

このワークショップは、三つの軸にそって構成されています。まず、第一セクションでは、「意識」という囲い込まれた領域の同一性に「心」を閉じ込める西洋哲学の伝統的な考え方に対して、より身体に広がりを持った活動として心をとらえる新しい心の哲学の可能性を、現象学、認知科学、生態心理学などとの対話を通じて検討します。それに対して第二セクションは、そのようにして20世紀以降新たなトポスとして浮上した身体が、再び新たな同一性へと囲い込まれる危険性を、美学的ならびに政治的問題として検討するとともに、非同一的な生成変化のトポスとしての感覚について思考する可能性を模索します。そして最後に第三セクションは、技術に媒介された感覚知覚についての思考としてのメディア論の一つの系譜を検討します。近代化に伴う知覚経験の変容と相即して展開された思考と実践を読解するこの試みにおいて賭けられているのは、美学=感性論的(ルビ:エステティック)なものとして構築された身体の経験の歴史性にほかなりません。

 このように様々な領域と方法を横断しながら展開するこのワークショップの構成は、それ自体、身体が新たな哲学の場として持つ豊かさを指し示していると言えましょう。このワークショップが新たな思考の可能性に向けての一つのささやかな寄与となることを私たちは願ってやみません。

第一セッション(10:30-12:10) 意識から身体へ:新しい身体の哲学を求めて

「身体は心について何を教えてくれるのか?」鈴木貴之(UTCP)
「認識論と存在論の交錯:J.J.ギブソンの生態学的心理学に関する哲学的考察」荒谷大輔(UTCP)
「生態心理学の哲学的含意と科学的含意」染谷昌義(UTCP)

コメンテーター:河野哲也(玉川大学文学部人間科学科助教授)
司会:信原幸弘(東京大学大学院総合文化研究科助教授)

ラウンド・テーブル(13:00-14:00)

パネラー:
前田英樹(立教大学文学部フランス文学科教授)
大澤真幸(京都大学人間・環境学研究科助教授)
河野哲也(玉川大学文学部人間科学科助教授)

司会:
小林康夫(UTCP拠点リーダー/東京大学大学院総合文化研究科教授)

第二セッション(14:10-15:40) 身体から感覚へ:身体の危機と別の方向=感覚

「死を知る動物:ジル・ドゥルーズの生成変化論における全体性の問題」千葉雅也(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)
「接続詞を感覚すること:ゴダール作品の音-映像分析」平倉圭(東京大学大学院学際情報学府博士課程)
「日本的身体論の形成:京都学派を中心として」横山太郎(東京大学大学院総合文化研究科助手)

コメンテーター:前田英樹(立教大学文学部フランス文学科教授)
司会:松浦寿輝(東京大学大学院総合文化研究科教授)

第三セッション(15:50-17:30) 感覚から歴史へ:美学=感性論としてのメディア論

「触覚、この余計なもの:マクルーハンにおける感覚の修辞学」門林岳史(UTCP)
「映画の中の自然美:後期アドルノの映画美学における知覚の問題」竹峰義和(UTCP/東京大学大学院総合文化研究科博士課程)
「都市・メディア・女給:初期成瀬巳喜男メロドラマにおけるモダニティの経験」御園生涼子(UTCP/東京大学大学院総合文化研究科博士課程)

コメンテーター:大澤真幸(京都大学人間・環境学研究科助教授)
司会:田中純(東京大学大学院総合文化研究科助教授)

Posted by gen at 03:45 PM | Comments (0) | TrackBack (0)