December 08, 2004

UTCPワークショップ「身体の思考・感覚の論理」

 やばい。これはかなり面白そう。大澤真幸さんまでいらっしゃるとは。「身体/感覚」なんて都合良く曖昧模糊としている言葉であって、それを実際に用いる際には、考えるべきことが山積している。さあ、このワークショップは何をもたらしてくれるのか。

UTCPワークショップ「身体の思考・感覚の論理」

このワークショップは、三つの軸にそって構成されています。まず、第一セクションでは、「意識」という囲い込まれた領域の同一性に「心」を閉じ込める西洋哲学の伝統的な考え方に対して、より身体に広がりを持った活動として心をとらえる新しい心の哲学の可能性を、現象学、認知科学、生態心理学などとの対話を通じて検討します。それに対して第二セクションは、そのようにして20世紀以降新たなトポスとして浮上した身体が、再び新たな同一性へと囲い込まれる危険性を、美学的ならびに政治的問題として検討するとともに、非同一的な生成変化のトポスとしての感覚について思考する可能性を模索します。そして最後に第三セクションは、技術に媒介された感覚知覚についての思考としてのメディア論の一つの系譜を検討します。近代化に伴う知覚経験の変容と相即して展開された思考と実践を読解するこの試みにおいて賭けられているのは、美学=感性論的(ルビ:エステティック)なものとして構築された身体の経験の歴史性にほかなりません。

 このように様々な領域と方法を横断しながら展開するこのワークショップの構成は、それ自体、身体が新たな哲学の場として持つ豊かさを指し示していると言えましょう。このワークショップが新たな思考の可能性に向けての一つのささやかな寄与となることを私たちは願ってやみません。

第一セッション(10:30-12:10) 意識から身体へ:新しい身体の哲学を求めて

「身体は心について何を教えてくれるのか?」鈴木貴之(UTCP)
「認識論と存在論の交錯:J.J.ギブソンの生態学的心理学に関する哲学的考察」荒谷大輔(UTCP)
「生態心理学の哲学的含意と科学的含意」染谷昌義(UTCP)

コメンテーター:河野哲也(玉川大学文学部人間科学科助教授)
司会:信原幸弘(東京大学大学院総合文化研究科助教授)

ラウンド・テーブル(13:00-14:00)

パネラー:
前田英樹(立教大学文学部フランス文学科教授)
大澤真幸(京都大学人間・環境学研究科助教授)
河野哲也(玉川大学文学部人間科学科助教授)

司会:
小林康夫(UTCP拠点リーダー/東京大学大学院総合文化研究科教授)

第二セッション(14:10-15:40) 身体から感覚へ:身体の危機と別の方向=感覚

「死を知る動物:ジル・ドゥルーズの生成変化論における全体性の問題」千葉雅也(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)
「接続詞を感覚すること:ゴダール作品の音-映像分析」平倉圭(東京大学大学院学際情報学府博士課程)
「日本的身体論の形成:京都学派を中心として」横山太郎(東京大学大学院総合文化研究科助手)

コメンテーター:前田英樹(立教大学文学部フランス文学科教授)
司会:松浦寿輝(東京大学大学院総合文化研究科教授)

第三セッション(15:50-17:30) 感覚から歴史へ:美学=感性論としてのメディア論

「触覚、この余計なもの:マクルーハンにおける感覚の修辞学」門林岳史(UTCP)
「映画の中の自然美:後期アドルノの映画美学における知覚の問題」竹峰義和(UTCP/東京大学大学院総合文化研究科博士課程)
「都市・メディア・女給:初期成瀬巳喜男メロドラマにおけるモダニティの経験」御園生涼子(UTCP/東京大学大学院総合文化研究科博士課程)

コメンテーター:大澤真幸(京都大学人間・環境学研究科助教授)
司会:田中純(東京大学大学院総合文化研究科助教授)

投稿者 gen : December 8, 2004 03:45 PM | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?