Lovely now*


[Gainsbourg Percussions]
by SERGE GAINSBOURG. 1964
Categories
Sponsors

Menu
Profile


Gen
大学生,Age22,male

今は(臨床)心理学者を志す。
ぜひGenxx.com*
立ち寄ってみてください。

詳しいprofileはこちら

Recent Entries
Syndicate



Notes

 



April 06, 2004


夜の静寂、のぼってゆく銀河鉄道

 8月の終盤、静かにひとつの街灯が路地を照らしていた。波の音と虫の音がかすかに共鳴しているのが聞こえる。長袖のシャツ一枚でちょうどいいくらいだ。寂れた秋田県八森駅から秋田市に帰ろうと、ディーゼル車両の到着を待つ。一日中歩き回った世界遺産・白神山地は正直期待はずれだった。それはごく普通の山林に過ぎなかった。さびしい。ふと、目を閉じ唄を口ずさむ。その時だった。遠くに、車輪がきしむ音が聞こえた。目を開ける。銀河鉄道だった。

 見渡す限り明かりなどほとんどない。遠くに連なる山々も真っ黒だ。その中腹をただただ進む鉄道、窓から漏れる灯りが静かにまぶしい。それは本当に、銀河鉄道だった。突然、すべてが許せるような気がした。

#旅の肌に触れた瞬間でした。ちなみに銀河鉄道は、藤城清治さんの影絵が大好きで、これ見るといつも泣きたくなってしまう(画像元LIBRAORIGINALさん;藤城さんのサイトはこちら)。人間の想像力創造力って、本当に凄いな。

Posted by gen at 03:36 AM | Comments (0) | TrackBack(0)

March 09, 2004


インドのコマネチ、インドのアイーン

 インドを旅していた時のこと。インドで最も美しいとも言われる世界遺産、タージマハールに向けて、心躍らせながら歩を進めていた。タージマハールの入口へと続く道。ひたすら降り注ぐ太陽、道の両脇には「money?」と声を枯らしながらせがむ少年たち。集客を諦め遠くをぼうっと眺めている運転手、そして露天商に通行人を引きずり込もうとあれこれ画策する子供たち。

 その子供たちは歩いている人間が日本人だと気づくやいなや、「コマネチ!」と繰り返す。右でも左でも、コマネチの大合唱。客を求めての必死な叫びとしてのコマネチが、何回も繰り返されるうちに、「遊び」の世界に取り込まれていって、叫んでるほうも叫ばれているほうもなんだか楽しくなってきて、みんなで笑い出してしまう。

 笑いながら、彼らにこう指摘してみた。「コマネチは古いぜ?次のトレンドはアイーンだ」と。もちろんオーバーリアクションつきで。何回も笑い笑わせ繰り返して。そしてそんなことは忘れてタージマハールを楽しんだ。日陰で2時間ほど寝てしまい、世界遺産で昼寝なんて贅沢だなとか考えつつ帰途についた。夕暮れの涼しげな風を浴びながら歩いてゆく、そして、驚いた。なんとそこはアイーンの大合唱場となっていたのだ。アイーン、羽ばたく。爽快感に包まれながら最高に旨い一服。さて、今タージマハールへと続く道には、どんなユーモアが満ちているのだろう?いつかまた、確かめに行けたなら。

Posted by gen at 08:08 PM | Comments (2) | TrackBack(0)

February 10, 2004


上海、光と影―――旅が残したものをふと思い返してみて

 上海が自分の中に残したものを、ふと。一言でいえば、光と影。あれは20歳のとき、ひょんなことから旅で向かった先は、上海。

 運良く、世界一の高層ホテル、グランド・ハイアット・シャンハイに泊まる機会を得た。日が暮れて、視界を霞ませる、窓にまとわりつく雲も晴れた。さぁ、と意気込み下を眺める―――驚くほど感動の無い平坦な眺め。上海はそれほど高層ビルが多くない。高いところに行けば、景色が美しき化粧をまとうわけじゃない、このとき痛感した。部屋が高すぎて、ネオンは遥か遥かに下で、ぼやけているんですよ。超近代的なそのホテル。でも、街は、そのホテルについてきていない。とても目立つ一部の豪華さと、普通にただずむ残りの大多数。―――上海、光と影。

grand_hyatt_hotel.jpg

 上海の街を歩き回った。とにかく汗がしたたった。繁華街で目にした吉野家と、路上の売店から聞こえる浜崎あゆみの歌はいくらか興ざめを誘ったけれど、たしかに新鮮だった。あまりに暑い。別のホテルに入り、体を涼ます。コーヒーを飲む。一杯、600円。

続きを読む...

Posted by gen at 01:27 AM | Comments (2) | TrackBack(0)