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by SERGE GAINSBOURG. 1964
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今は(臨床)心理学者を志す。
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May 02, 2005


原因追及のスペクトラム――言葉足らずだったので

 『サマリア』はこのGW、本気でおすすめしたい映画。‥先日書いた「リスクを抱えて生きる――確率と偶有性」に疑問提起型のコメントを頂いたので、言葉足らずだった部分を書き添えておきます。脱線事故雑感の2弾目です。

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Posted by gen at 01:40 PM | Comments (4) | TrackBack(1)

April 27, 2005


リスクを抱えて生きる――確率と偶有性

 先日のJR事故ニュースに関連して思ったことを、いくつか。第1に、JR側に100パーセント責任を負わせることができるかどうかについて、法的な論理を離れて、いささか抽象的に考えてみる。第2に、確率としてのリスクと、まさに他ならないわたしが被害者になるということの間にある埋めがたい距離について(偶有性=contingency)。反論を切実に希望します。 ※04/27, 16:00, 後半大幅加筆修正

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December 09, 2004


スーダン・ダルフールの虐殺、現在進行形

 このことに触れないわけにはいかないだろう。現在進行形で、大きく見積もると10万人もの人間が虐殺されている、ということを一体どれだけの人が知っているのだろう。

 生きている者(私たち)の記憶に虐殺の歴史が刻み込まれなかったならば、死者たちは完全に忘却され歴史から消滅してしまうだろう。日本人がこの問題に強い関心を寄せるべきだ、ニュースはこのことを第一に報道すべきだ、別にそう主張するつもりはない。ニュースは市場原理に従って選別されるものだ。まずは今日明日自分がしっかり生きることだ。でも、せめて、見ておくこと、記憶しておくこと。「忘却の穴」に葬り去らないこと。そう自分は考えます。

 基本的な情報はこのwikiにまとめられています。

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Posted by gen at 08:17 PM | Comments (2) | TrackBack(0)

June 04, 2004


ニュースを観てマゾ/サドの欲望を満たす

 私たちはニュースをよくみる。新聞を読む。何故だろう。実に不思議だ。ニュースに映し出される現実は、圧倒的に「不幸の手紙」が多い。幸せなニュースを、暗いニュースが凌駕する。地震。爆弾。テロ。殺人事件。死体。泣き声。悲痛な顔。叫び。

 「ニュースは子供に見せないのよ。だって教育上悪いじゃない」という親がいるという。私たちの幸せな食卓に、あるいは心地よい朝の目覚めに、突然割り込む「不幸な手紙」。日常の生活世界、なにげない瞬間に、突然割り込む暴力の知らせ。このふたつの間の、感覚の圧倒的な断絶。あまりに私の夕食と小学校殺傷事件はズレている。イラクもズレている。

 なぜ私はあえて「不幸の手紙」を自ら進んで観るのだろうか。世界を知りたいという欲望が強いから?世界を知っておかないと不安になるから?でも考えてみて欲しい。何も社会的「事件」が起きなかった日のニュースのことを。どこかで祭りが行われた。誰々が結婚した。スポーツの話題。あなたは、満たされていないのでは?何か物足りないのでは?つまらない、のでは?

 私は「不幸の手紙」を待っている。「不幸の手紙」を求めてテレビをつける。他人の不幸を待ち望んでいる。イラク問題の時に「自己責任が大切だ!」あるいは「3人を非難するなんて信じられない!」という言説に違和感を感じ、それは「生活世界から目をそらして<大きなこと>に酔っているのでは?」と指摘した(参考)のは、このような背景もあると感じたからだ。それは何よりもまず、私の、自分の、マゾ的な卑しい欲望である。私は「不幸の手紙」が無ければ満たされないからだになってしまったのかもしれない。その上で、「不幸」に対して自分が何を出来るかを考えて、今度は逆にサド的欲望を満たしているのかもしれない。どこにゆけば良いのだろう。それでもそのまま歩けというのならば、誇らしげに持てる力をすべて込めながら歩いていってやる。

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May 11, 2004


米軍虐待マニュアルと大中東構想

 先日のエントリーみたいな映画/芸術情報も主に読書日記@はてなダイアリーに書いてゆくつもりです。ほとんど自分用のメモですが。さて、今日は論じるよりメモがわりに。虐待はどうも根深く果てしなくとめどない模様。写真は少なくとも強く伝えると判断したため、掲載。

※下の小便をかけ続ける英軍兵士、という写真は英大衆紙mirrorが誤って捏造写真を掲載してしまったとされ、編集長が解雇された。おそらく、コラかなんかだったのだろうか。まざまざと情報を扱う困難さを見せつけられた。訂正しておきます。

761.jpg
小便をかけ続けるイギリス軍兵士(SHAME OF ABUSE BY BRIT TROOPS

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May 09, 2004


米軍虐待写真とイラクの今後

iraqis_tortured_wp-b.jpg

 米軍の行動の是非や責任の所在の問題は措いておいても、虐待写真のインパクトは強烈すぎる。大量破壊兵器根絶と関連したイラク侵攻の正当性を米軍に与えていた国連決議1483が失効するのは5月22日だ。この写真まで出てきて、次に米国はどんな大義名分を持ち出せるのだろう。シニカルにもリアルにも大注目だ。もっとも現在イラクに主権はないのでずるずると米軍駐留は続くのであろうが。また、米軍が撤退したらもっとも恐るべき大混乱が起きるかもしれない。米軍の後ろ盾なしに、だれがあんな混乱に満ちた国で復興をやりたがるのだろう。どこにも希望の光は射し込まない。

 それにしてもアラブ人社会に米兵の拘束者虐待の事実が与えた衝撃は計り知れない。同時にこれでイラク戦争も新たな事態に突入すると感じた。これからは米軍の残忍な占領統治に対して、愛国的(イスラム的)な反米戦争の開始になるからだ。この事件をきっかけに今までの一部勢力の抵抗から、イラクの国民的な抵抗に拡大していくだろう。(日本軍事情報センター

 それでもとにかく、米軍は駐留し続けるのだ。そしてイラク内部の不満は鬱積し、泥沼化するだろう。朝生で語られていたエピソード曰く、「バクダッドのモスクはほとんど日本が建てた。米軍侵攻で破壊されたので、日本の業者が修理を申し出たところ、米軍は頑なに拒んだ。また、バグダッドはあれだけ空爆されておきながら、石油商には一発も爆弾が落ちていない。米国はまさに利権を渇望している‥」  そしてアルカイダの声明によって、日本の民間人も次々に殺されてゆくだろう。それはもはや政治的な殺害ではなく、ただ金目当ての殺害だ。だから簡単だし頻発するし防ぎようがない。さて、シニカルに頬を引きつらせる以外にできることがあるとすれば、一体それは何だろう。

 なお、このサイトに虐待写真がまとめられています。

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April 25, 2004


イラクの歴史

 イラクの歴史をまとめようと思っていたんですが、このサイトに簡潔にまとめられているので、そちらに譲ります。

 さて、Blog界隈で少し話題となっていた鳩山由紀夫のHP。面白いFLASHは、これこれこれでしょうか。鳩山由紀夫が、ブッシュと同じく善悪二分法に陥っていることを自ら暴露してしまったFLASHですね。また小泉に対し「武力行使」しています。「友愛」という言葉は宙ぶらりんのまま心なしか寂しそう。

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April 21, 2004


人質3人の評価をめぐる議論の終焉

盲蛇に怖じず

株価暴落による損失 ¥13,000,000,000,000
ヨルダンからの債務免除要請額 ¥200,000,000,000
救出の費用(税金) ¥2,000,000,000
3人の自己負担 ¥350,000
3人がイラクで得た自己満足 Priceless

 こんな記事がありましたが、3人をどう評価するかは、個人の信念の問題であって、擁護派と非難派、どちらが偉いとかより良心的だとかそんな議論は絶対に成り立たないわけです。そろそろやめますか。また繰り返しになりますが、「3人の行動の目的が海外援助だから、3人を批判するのは良心的でないし器が小さい」「子供を助けようとしてイラクに行ったのにそれを非難するなんて信じられない」みたいな風潮はひどく(個人的に)気持ち悪いんですが、批評家東浩紀さんみたいなプラクティカルな視点からの擁護論はすんなりと腑に落ちます。

hirokiazuma.com/blog

NGOの支援なんて賭けみたいなもんで、彼らの支援がイラク人の対日感情をぐっと好転させた可能性もあったわけだから、失敗したからといって責めるのは酷なんじゃないでしょうか。

 いいですか、私たちの税金からどれだけお金が流れたのでしょう。消費税の税収が年間で2兆程度ですよ。私たちも確実に迷惑を被っています。この点を忘れてはなりません。その上で3人を擁護するなら、それは全く個人の問題であって、自由にどうぞという感じです。そして民間活動に対して日本はどういう戦略を取っていくのかも、議論すべき課題となってきたのでしょうね。

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April 18, 2004


お金で買えない価値がある

女子高生のパンツ 3000円
覗いた手鏡 300円
失った経歴 priceless
お金で買えない価値がある

 このリンク先はホント笑えますが、でも、極論すれば、植草さんもイラクで人質になった3人も同じですよね。昨日書いた「切実な生活世界」とはそういう意味です。この「priceless構文」の実に巧みなところは、資本主義経済の本質をよくあらわしているところだと思う。

 つまり、資本主義というのは、他者から評価されてこそ意味を持つものです。他者からの評価を基準として自分の行動を決定する。他者の目に生きる。土地を買うとき、それは本当に欲しいものではなく、投機的に価値が上がりそうなものを買うわけです。モノを作るときもたいていは売れるものを(=他者の評価を気にしながら)作る。あるいは人生の進め方だって、そういう場合が多い。彼が経済研究者だったのはただの偶然でしょうか?誰にでも、どうしても自分にとって切実なものがある。たとえ逮捕されても、死のリスクを背負おうとも、「お金で買えない価値がある」

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April 17, 2004


イラク問題と自分の生活世界

 少し挑発的な書き方をします。イラク問題を語ることは、ある意味「気持ちのよい」ことでした。なぜならそれは自分の身から離れた「大きなこと」だから。メディアの話題を独占した、華やかなことだったからです。人質3人を批判する人たちは「国」や「責任」という概念を持ち出して、あれこれ言い合うことができた。政府を批判する人たちは「人命」や「正義」や「ボランティア」などという概念を立て、叫びあうことができました。

 このBlogを読んだ友人が、「すげーなぁ俺はダメダメだよ。正直、俺にとってイラクとか考えてる余裕も暇もないし関心がないんだよね」と言いました。いや、ダメとか言う必要は、全くない。俺も彼も何も変わらない。これは大事なことです。私たちには私たちの生活世界があります。手の届く範囲、あるいは電車や車で行きかう範囲の、実際に生きている場所があります。自分にとって切実な領域があります。これが結局はすべてで、そこから首を伸ばす必要を感じない限り、イラク問題について議論する必要は全くないのです。イラク問題を議論した人は、そこから自分の生活世界に何か示唆を得たかったからこそ、語ったのです。憤りや悲しみや怒りを感じながら、「自分の生活している世界に彩を加えた」のです。自分勝手なものです。

 イラクは華やかな場所です。でも、世界中の死者のことを想うなら、アフリカなどの方が構造的にはよほど悲惨な現状です。それでもイラクについて語ってしまうのは、イラクが私たちの生活世界にとってより大きな意味を持っているからです。結局は、自分のために語っているのです。もし「正義」的な倫理観を追求するのであれば、まずは自分の身の回り(生活世界)でそれを徹底することです。身の回りの暴力を見過ごしていないか?まわりの誰かを傷つけていないか?可哀想と感じる気持ちをごまかしてだまっていないか?親を悲しませていないか?手を差し伸べているか?すべてはそこから始まるはずです。そしてそこで終わるはずです。イラク問題について「大きく語って」自己陶酔するのは自由ですが、本当に徹底するならば、自分の生活世界での生き方を完璧にすることです。そうすれば、「ボランティア」を必要以上に持ち上げる必要も全くない。もちろん徹底する必要はないですが。

 イラクの3人にとっては、イラクが「切実な生活世界」となっていたのです。だから彼らはそれに命を賭けた。彼ら以外にも、海外で支援活動を行っている人たちはたくさんいるでしょう。でも、そういう人たちが、特別偉いわけではないのです。会社でプロジェクトに打ち込む人、あるいはニュースなど気にせず黙々と家を建てる職人、子育てを頑張る母親、これらの人に比べてイラクの3人が「より上」だとか「偉い」と思いますか?3人だって、ある意味親を悲しませているのです。もちろん、昨日述べたとおり「他人の利益のために生きる人」を尊敬する気持ちは自然だし大事だと思います。けれどもその人達は普通に生活する人より「偉い」わけではなく、尊敬を強制されるいわれも、また必要以上に持ち上げる理由もないのです。だから3人が他者に迷惑をかけたならば、その点に関してはきちっと批判する。「責任」とはそういうものです

 まず自分の生活世界があります。そこを精一杯生きることがすべてです。体調や精神の状態がすぐれなければ、その中で精一杯生きることです。友人のひきこもりだって、精一杯生きています。そしてもし私たちがイラク問題に対して関心を持つならば、そこから何かインスピレーションを最大限得ることです。より「平和」を志向するような生き方を、自分の生活世界で実践しようと思ったかもしれません。願わくば、「アメリカ追随ではなく日本国なりの正義に基づいた外交を行い、自国の安全を保障するにはどうすれば良いか?軍隊を持つべきか?あるいは持たないならどのような道がありうるか?」(参考)を考えることです。まずは明日頑張ろうと、俺は思いました。かなり説教っぽくて気持ち悪いけれども、自戒の念を込めた文章でした。

Posted by gen at 11:10 PM | Comments (11) | TrackBack(1)

April 16, 2004


イラク人質事件、いわゆる自己責任論について

 ボランティアは自己愛から生まれる。自分が好きだから、自分のために、ボランティアをする。自分の満たされない思いを満たすために、他人に対して何かする。これにまったく異議はない。ボランティアとは基本的に自分勝手なものだ。だから「してあげている」という意識はいかなる意味でも持つべきではない。「俺(私)がしたいからする」のでないかぎり、してはならない。

 (自作自演説をひとまず措いておくと)3人は、「どうしてもイラクに向かわざるをえない何かを感じた」からイラクに向かったのだろう。俺が「どうしても桜を見たくなったから上野公園に向かった」のと基本的には変わりない。それでも、イラクに向かった3人にある種のリスペクトを感じてしまうのも事実だ。それは、自己愛(=自分を満たす行為)を、自分自身の人生の利益に向けるのではなく、他人の人生の利益に向けているからだ。この「ある種のリスペクト」は、マザーテレサに対して感じる気持ちと似ている。「他人の人生」に対して自分のナルシスティックな自己愛を向けるのは、それが押し付けがましいものでない限り、悪くない。道に困ったときに親切に目的地まで連れて行ってくれる人は素敵だなぁ、と思う感情を考えれば共感していただけると思う。

 さて、今回の3人だ。江川紹子がいう「とりあえず本人たちが語れる状況になるまでは批判以前に助けてあげなきゃ」という議論はとても共感できる。だからこれまで3人の批判は慎んできたし、日本政府もそれなりに外交努力を続けてきた。結果、解放に結びついた。しかし、である。このソースを信じるならば3人は「今後もイラクでの活動の継続を希望した」という。この時点で、正直3人を擁護する気が無くなった。というよりも、今後メディアはそれほど3人の動向を大きく報じなくともよい、いわゆる「放置プレイ」で良いのではないかと思ったのだ。

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Posted by gen at 11:47 PM | Comments (7) | TrackBack(3)

April 15, 2004


ただの小泉批判も人質批判も同じ穴のむじな

小泉は馬鹿だ、自衛隊は撤退すべきだと叫ぶ人たちへ
 アメリカに見放されたら、国防はどうするんですか?現実的に数百キロ先に日本への憎悪に満ちた国が核兵器を持っているというのに、アメリカの力を借りないで、どうやって自分の家族を守るつもりですか?自分や自分の子供が戦場に行く可能性が高まるんじゃないんですか?アメリカ軍に頼らずに安全保障をどうするのか、その意見を出した上で、小泉を批判してください。あなたが首相だったら即時撤退しますか?その先に待っているものをどうするんですか?

やたらと国家国家騒いで、3バカとかいっていい気になっている人たちへ
 イラクで一万人以上が死んでいるという圧倒的に不当な現実があるのに、盲目的にアメリカに追随している現状は、まさにアメリカの犬じゃないですか?売国奴だとか「国」という概念を持ち出して気分高揚するのは自由ですが、結局主体的な外交が何もできていない現在の犬国家日本をどうお考えですか?自分たちが強いだとか主体的だとか思っておきながら、結局は何もできない弱虫状態を肯定しているだけですよ?「強い日本」になるということは、自分が戦場に行くということであり、耳を削ぎ落とされるということであって、その覚悟を持った上で発言してますか?

論点は
 アメリカに頼らずに日本国なりの「正義」に基づいた主体的な外交をするには、どうすればよいのか?そこを徹底的に議論すること。ひとつ、日本も軍隊を持つということは、自分や息子が戦場に行くということ。ひとつ、自分の手を汚したくないなら、あるいは平和を希求するなら、では「軍隊を持たずにどうやって日本の安全を保障するか?北朝鮮の核兵器から自らを守るか?」という問いへの解決策を考えること。

 そこを議論すべきであって、ここを踏まえない主義主張は、本当に何も生まない。3人は解放されたようで、とりあえずよかった、といっておきます。

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April 14, 2004


イラクの死体を見続けるということ

 これまで、このBlogでイラク人質事件をきっかけに色々と語ってきました。国際法や国連を尊重しないと武力が最大の価値となる恐怖の世界が訪れることや、今こそ国内で憲法について議論しないと同じことを繰り返すだけだ、ということも述べてきました。それでも、一番圧倒的なのは、現実的に死んでいった人達であり、その死そのものです。「死」そのものです。「死体」そのものです

 人質となった3人や日本国政府やアメリカを批判するのは、事態を解決する上で重要なことです。しかし、それでも、それは「大きな(自分の手の届かないもの)を語ることによって、目をそらしている」だけなのかもしれません。批判すべきものを見つけることによって、自分自身が嫌な部分から目をそらしているだけなのかもしれません。(俺自身がそうだった気がします)

 繰り返します。根本的にすべきことは、「死」を凝視し続けることだと考えます。Iraq Body Countによれば、この記事を書いている時点でイラク侵攻による死者の総計は

iii.jpg

であり、死者の中で名前がわかっているのは692名にすぎません。名前すら特定されない無数の死体。「テロ解決のため」の戦争で、9.11の倍の死者が出ています。アフガン侵攻による死者を含めると、何倍になるのでしょう?昨日駅で別れた恋人や、夜中にいきなり電話をかけてきた親が、今日にはもう写真のような死体になっているということ。それが一万回近く、いやそれ以上、イラクで繰り返されている。

 はじめにすべきは、死者を見続けることです。その上で考えることです。


関連記事:
イラク人質事件、いわゆる自己責任論について

ただの小泉批判も人質批判も同じ穴のむじな

参考:アルジャジーラの死者写真を発信し続けるサイト(紹介:だいぶろぐさん)

Posted by gen at 04:22 PM | Comments (4) | TrackBack(2)

April 11, 2004


今後イラク人質事件をどう議論すべきか、整理してみる

 とりあえず議論の見通しを良くしておきます。まず、今日まで主に議論されていたのは、人質事件そのものをめぐって、自衛隊を撤退させるべきか否かという議論だった。だが現時点では、自衛隊を撤退させずに人質が解放される見通しが立った(参考)。とすれば、今後どのような形で議論がなされるのだろうか。

A.事件の真相と3人の行動、今回の政府の対応の是非をめぐる議論
3人が入国を試みた意図は?犯行グループの目的は?日本国政府は裏でどのような取引を行ったのか?3人の行動は批判されるべきなのか?政府は現実的に可能な手段の中から最善を尽くしたのか?もちろん3人と犯行グループが自作自演を行った可能性についての検証がメインになるだろう。自作自演説はUnmovableTypeさんが言うように「根拠が全くない」わけではない。multithreadさんによる詳細な検証、および犯行グループと3人の事前の接触疑惑(ソース)も問題となってくる。[その他自演説]

B.同様の事態を防ぐにはどうすればよいかをめぐる議論
この議論は「今回の事件とは関係なくとも、そもそも自衛隊をイラクに派遣する必要はあるのか」という議論に必ず行き着く。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」では意味がない。根本的な原因を考えなければ、次につながらない。今回の事件を教訓(きっかけ)として徹底的に議論を行うべきである。「自衛隊イラク派遣そのものの正当性を問う」必要がある。では、どのような議論が可能なのか。

B-1.自衛隊は撤退すべきでないという議論
「テロに屈してはならない」「日本が国際社会で果たすべき役割がある」「日米同盟を重視しないと安全保障が脅かされる」「イラクの復興支援は実際に必要だ」「撤退したらテロが生まれる土壌が野放しになる」「同様の事件を防ぐためには日本国が自国民の安全を確保することが必要。たとえば入国制限や強制退去命令など。どれがベストだろうか」

B-2.自衛隊は撤退すべきだという議論
「そもそも自衛隊を派遣したからこのような事件が起こった」「正当性のないイラク戦争を行った米軍に服従すべきではない」「憲法に反する」「日本国は、自衛隊派遣という形ではない支援が可能なはずだ」

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April 10, 2004


イラク人質事件、ではどうすればよいのか

関連記事:
イラク問題と自分の生活世界

イラクの死体を見続けるということ
ただの小泉批判も人質批判も同じ穴のむじな
イラク人質事件、いわゆる自己責任論について

 前エントリーで「今こそ論ずべきは自衛隊イラク派遣の是非そのものである」ということを述べました。では、どうすればよいのか。トラバを頂いたUnmovableTypeさんに触発されて考えてみたい。

 撤退はできない。日本国政府はあらゆるルートから犯行グループに働きかけているだろう。タイムリミットが明日だとすれば、私たちは見守るしかない。今すべきことは、状況を見守りつつ、今後イラクの自衛隊をどうするのか、イラク派遣の正当性を含めて論じることである。それは必然的に憲法をめぐる議論にもつながってゆくだろう。ここを徹底的にやらないとどこにも行けない。自衛隊イラク派遣の正当性を論じるには、日米同盟、および日本が軍隊を持つべきか否かを議論することも当然必要になってくる。

 またとにかく忘れてはならない視点は、たとえ戦争の大義が不当なものでも、一度破壊してしまった以上復興作業を手助けする必要があるということであり、どのような形で復興を支援すれば最もイラクの人々にも受け入れられ易いかを模索することである。私は、国連軍の派遣が肝要だと思う。状況を収拾するには、それ以外にないだろう。ただ実現はかなり困難であろうが。とにかく、それまでは現状の体制で復旧作業を進めるしかないのである。

 安直に撤退の賛成反対を論じることにはそれほど意味がない。二度と同じことが起きぬよう、事態の根源から考えていく必要がある。もっとも、結局どの情報も事の真相を伝えているとは限らず、あくまで「憶測に基づきながら論じていくしかない」というそもそものジレンマは残るが。また、私たちは日常生活を抱えたまま、何か現実的行動を起こすのは非常に困難だという問題もある。何か自分にとってできることが見えるまで、注意を失わず、安直に結論を出さず、事態の推移を見守るしかないのだろう。

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イラクの日本人人質事件そのものに特別な意味はない

関連記事:
イラク問題と自分の生活世界

イラクの死体を見続けるということ
ただの小泉批判も人質批判も同じ穴のむじな


★アメリカとの同盟関係を最重視した結果自衛隊派遣を行った日本国政府が、「テロに屈する」という形で撤退する可能性はない
この時期にあえてイラクに入国するということは、自ら主体的に死のリスクを背負うことであり、その意味で、自衛隊員が誘拐された場合とは質的に異なる
★とすれば問題は、3人がイラクに入国したということの正当性に関わってくる
★3人が「イラクの人々を支援したい」と考え入国したとすればどうなのか
★死のリスクを背負って戦場に飛び込んだ3人。自衛隊イラク派遣がそもそも不当なものならば、3人のために撤退することに意義があるかもしれない。3人救出のために撤退する方がより「大義(正義・公正)」に近いかもしれない。一方、もし自衛隊派遣の方がイラク復興に対して意義があるならば、あえて戦場に飛び込んで殺されても文句は言えない
★とすれば、結局は自衛隊イラク派遣の正当性の問題に行き着く

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April 09, 2004


イラクで日本人3人が人質に、落とし所はあるのか?

Yahoo!ニュース - 社会 - 読売新聞社

3邦人イラクで人質、自衛隊撤退を要求

 カタールの衛星テレビ「アル・ジャジーラ」は8日午後(日本時間同日夜)、「サラヤ・ムジャヒディン(戦士隊)」と名乗る組織が日本人3人を拘束したと報じ、3人の様子が映ったビデオ映像を流した。この組織は自衛隊が3日以内にイラクから撤退しなければ3人を殺害すると脅迫しているという。これに対し、日本政府は3人の即時解放を求めるとともに、自衛隊については撤退しない方針を明らかにした。イラクでは8日、このほかにも外国人が人質に取られる事件が次々と明らかになった。(引用者註:犯行グループは「撤退しなければ生きたまま焼くと表明」)

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April 01, 2004


超大物政治家のスキャンダル

ここに載せると公安から圧力を受けるかもしれないので、
隠れページに30秒程度のスライドショーを作っておきました。
(ブロードバンド推奨?)

これにもかなりわろた
あとこれはかなりムカついた人もいただろうな。

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March 29, 2004


イスラエルとパレスチナ1――テロリストを殺したテロリスト、その歴史的背景

ヤシン師 久々の更新です。これからはペース戻してゆきます。どれぐらいの方がこのニュースを心に留めているでしょうか。先日、パレスチナの精神的指導者、イスラム原理主義ハマスの創始者ヤシン師がイスラエル軍によって殺害されました(関連リンク)。「中東全域にくすぶる反米感情の根っこに横たわるパレスチナ問題こそ、国際情勢不安定化の最大要因(前リンク先)」です。その意味で、このニュースは9.11事件に匹敵するニュースであり、まぎれもなく歴史的事件となるでしょう。せめて自分にできることとして、情報をまとめておきます。タイトルをクリックすると読みやすくなります。

 1.歴史的背景、2.現代的背景、3.今後の展望と思うところにそって話をまとめていきます。今日は第一の歴史的背景について可能な限りまとめます。まず、イスラム教と(イスラエルの)ユダヤ教が歴史上長い間対立を繰り返してきた、という通説は大嘘です。これには注意する必要がある。

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March 13, 2004


アルカイダは東京を爆破するか?

 スペインの首都マドリードで列車同時爆破テロが起きた。死者は現時点で192人にのぼる。以前からテロ的行為を続けていた、スペインからの独立をもくろむ「バスク祖国と自由(ETA)」の犯行だと当初スペイン当局は考えた。しかし、英国のアラビア語紙「アルクドゥス・アルアラビ」は、アルカイダによる犯行声明が届けられたことを報じた。

 あえて今日は問題を単純に論じよう。日本がアルカイダによって同様の攻撃を受ける可能性はどれくらいあるのか?日本で同様の事態が生じるとすれば、新宿池袋渋谷東京を同時爆破といったところだろうか。まず、日本が「比較的安全である」と考えられる根拠について。日本ではアラブ人ネットワークが弱く、テロに使用する爆薬等が入手しにくいこと、またアラブ人は日本では目立つため行動が監視されやすいことがあげられる。

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February 15, 2004


飛行機墜落時のボイスレコーダー

 事実は小説より奇なり。脳内妄想よりも重みのあるリアリティを。このもはや陳腐な感もあるセリフが、ネットをやっていると、少しだけ自分に近づいてくる場面にけっこう出くわす。もうご存知の方が多いかもしれないけれど、さいきん印象強く食い込んできたサイトを二つ御紹介。

 今日は520名も亡くなってしまった日航機の御巣鷹山事故(墜落at1985年)について。墜落までのコックピットの様子(ヴォイスレコーダー)を、サイトに表示される解説とともに聞けるサイトがあります(>>こちら)。とりあえず、聞くべし。

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February 12, 2004


葬式するためおばを殺害=アメリカ?

 ちと古いニュースだけれど、葬式の仕事をつくるためにおばを殺害、というのがあった。

Yahoo!ニュース - 社会 - 共同通信

 福島県平田村で昨年10月、無職志賀千代子さん=当時(71)=が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された志賀さんのおいで会社役員高橋信彦容疑者(42)が「(葬儀業の)自分の会社に仕事がなかったのでおばを殺せば葬儀を出せると思った」などと供述していることが9日、分かった。

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January 31, 2004


セックスと教育と――セルフセックスですか?

 高校の保健体育で精液を飲むという行為にまで触れる必要はあるか?性教育。これを考えてみると、教育って実に奥が深いと思う。何を教育するか/しないかを決めるときに、その社会の倫理観がモロに問われてくるわけで。少し古いニュースだけどこんなのがあった。

川崎市、高校でも性教育逸脱 テキスト配布 文科省「ひどすぎる」 (産経新聞) - goo ニュース

 川崎市がつくった高校生向け性教育テキストが、十代に経口避妊薬(ピル)を推奨したり、器具を使った自慰や精液を飲むといったアブノーマルな性行為にも言及していることが八日、分かった。市ではこのテキストを教材に高校で授業を行い、生徒に配布していた。


 このテキストのセックス観は、

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