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イラク問題と自分の生活世界
イラクの死体を見続けるということ
ただの小泉批判も人質批判も同じ穴のむじな
★アメリカとの同盟関係を最重視した結果自衛隊派遣を行った日本国政府が、「テロに屈する」という形で撤退する可能性はない
★この時期にあえてイラクに入国するということは、自ら主体的に死のリスクを背負うことであり、その意味で、自衛隊員が誘拐された場合とは質的に異なる
★とすれば問題は、3人がイラクに入国したということの正当性に関わってくる
★3人が「イラクの人々を支援したい」と考え入国したとすればどうなのか
★死のリスクを背負って戦場に飛び込んだ3人。自衛隊イラク派遣がそもそも不当なものならば、3人のために撤退することに意義があるかもしれない。3人救出のために撤退する方がより「大義(正義・公正)」に近いかもしれない。一方、もし自衛隊派遣の方がイラク復興に対して意義があるならば、あえて戦場に飛び込んで殺されても文句は言えない
★とすれば、結局は自衛隊イラク派遣の正当性の問題に行き着く
★問題は「イラク戦争」の大義および正当性は希薄だが、国政の実際的観点から撤退(およびイラク派遣を断ること)は難しいということ
★なぜなら、日本の安全保障はアメリカに頼り切っているから
★その意味で、今回の人質事件そのものに特別な意味はない
★結局は自衛隊派遣の是非をめぐる議論そのものに行き着くのであり、どの立場に肩入れするかは人それぞれだろう
★今回の人質事件の肝は、「自衛隊イラク派遣」をめぐる議論をショッキングな形であらためて喉元につきつけたということであり、その上でどう考えるか
★自衛隊は「イラク復興を支援する」と同時に「アメリカ軍の輸送」なども同時に行っており、すなわちやはり「アメリカ軍の後方支援」的要素が強いのであって、アメリカに対する批判を全く行っていない(行えない)現状では、「イラク占領軍の一味」とイラクの人々に考えられても仕方がないだろう
★だがしかし、たとえイラク戦争の正当性は希薄でも、実際にインフラが破壊し尽くされた現状で、イラク復興を支援することも重要である(もう戦争は行われてしまった。「正当性」の議論と同時に、すでにこうなってしまったイラクの現実に対して何がもっとも有効かを議論し実行すべき)
★国連軍という形での介入が最もベターな選択なのではないか(現実的には難しいが)
★3人の行動が政治的に意図されたものだった可能性も否定はできない(参考)
★極言すれば、「ニュースについて語るとき、正確な情報や当事者の真の意図などわかるはずもないのに、推測の上であれこれ語ることに意味はあるのか?あるとすればどんな意味か?」という根本的な問題に行き当たる
★この事件をきっかけに考えることが重要なのか、あるいは考えた上で何か行動を起こすべきなのか。日々の生活に手一杯の自分は、なにを成しうるのだろう。この実存的問いにも行き当たる。
乱暴な書き方をしましたが、死傷者が出ずに解決されることを祈っています。みなさんはどうお考えでしょうか。
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