これまで、このBlogでイラク人質事件をきっかけに色々と語ってきました。国際法や国連を尊重しないと武力が最大の価値となる恐怖の世界が訪れることや、今こそ国内で憲法について議論しないと同じことを繰り返すだけだ、ということも述べてきました。それでも、一番圧倒的なのは、現実的に死んでいった人達であり、その死そのものです。「死」そのものです。「死体」そのものです。
人質となった3人や日本国政府やアメリカを批判するのは、事態を解決する上で重要なことです。しかし、それでも、それは「大きな(自分の手の届かないもの)を語ることによって、目をそらしている」だけなのかもしれません。批判すべきものを見つけることによって、自分自身が嫌な部分から目をそらしているだけなのかもしれません。(俺自身がそうだった気がします)
繰り返します。根本的にすべきことは、「死」を凝視し続けることだと考えます。Iraq Body Countによれば、この記事を書いている時点でイラク侵攻による死者の総計は
であり、死者の中で名前がわかっているのは692名にすぎません。名前すら特定されない無数の死体。「テロ解決のため」の戦争で、9.11の倍の死者が出ています。アフガン侵攻による死者を含めると、何倍になるのでしょう?昨日駅で別れた恋人や、夜中にいきなり電話をかけてきた親が、今日にはもう写真のような死体になっているということ。それが一万回近く、いやそれ以上、イラクで繰り返されている。
はじめにすべきは、死者を見続けることです。その上で考えることです。
関連記事:
イラク人質事件、いわゆる自己責任論について
ただの小泉批判も人質批判も同じ穴のむじな
参考:アルジャジーラの死者写真を発信し続けるサイト(紹介:だいぶろぐさん)
こんにちは、魔恕ンナと言います。
すみません、トラックバックさせていただきました。
Genさんの記事をいろいろ読ませていただいて、
とても参考になりましたし、いろいろ考えました。
今もボーッとしてます。
魔恕ンナさん、はじめまして。
コメントとトラバありがとうございます。
俺はイラクのことを無視する生き方もありだと思っています。
身近な人々に何かを与えられて生きているなら、それでいいとも思います。
ただイラクについて語るのならば、
一個一個の死を凝視しながら、そこから思考を立ち上げるべきだと思うんですよね‥
リンクたどってここにきました。
絵をいじる仕事をしているので、
やはり写真が持つメッセージ性を強く感じました。
Yahoo!とかの掲示板では
こんな朝でも「戦争を知らないオトナたち」が
愚弄な論争を繰り広げてます。
ぜひそういうちょっと歪んじゃった感性の人たちに
この写真をぜひみてもらいたいなぁ。
いい記事でした。ありがとう。
Posted by: gaja at April 15, 2004 05:12 AMgajaさん、はじめまして。
「戦争を知って」いても、
おそらく自衛隊派遣を批判する気にはなれないです。
だからそれほど小泉も批判できません。
gajaさんの立場はわかりかねるのですが、とにかく、
具体的に日本がどうすべきか、それを考えるべきですよね。
***→