米軍虐待写真とイラクの今後

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 米軍の行動の是非や責任の所在の問題は措いておいても、虐待写真のインパクトは強烈すぎる。大量破壊兵器根絶と関連したイラク侵攻の正当性を米軍に与えていた国連決議1483が失効するのは5月22日だ。この写真まで出てきて、次に米国はどんな大義名分を持ち出せるのだろう。シニカルにもリアルにも大注目だ。もっとも現在イラクに主権はないのでずるずると米軍駐留は続くのであろうが。また、米軍が撤退したらもっとも恐るべき大混乱が起きるかもしれない。米軍の後ろ盾なしに、だれがあんな混乱に満ちた国で復興をやりたがるのだろう。どこにも希望の光は射し込まない。

 それにしてもアラブ人社会に米兵の拘束者虐待の事実が与えた衝撃は計り知れない。同時にこれでイラク戦争も新たな事態に突入すると感じた。これからは米軍の残忍な占領統治に対して、愛国的(イスラム的)な反米戦争の開始になるからだ。この事件をきっかけに今までの一部勢力の抵抗から、イラクの国民的な抵抗に拡大していくだろう。(日本軍事情報センター

 それでもとにかく、米軍は駐留し続けるのだ。そしてイラク内部の不満は鬱積し、泥沼化するだろう。朝生で語られていたエピソード曰く、「バクダッドのモスクはほとんど日本が建てた。米軍侵攻で破壊されたので、日本の業者が修理を申し出たところ、米軍は頑なに拒んだ。また、バグダッドはあれだけ空爆されておきながら、石油商には一発も爆弾が落ちていない。米国はまさに利権を渇望している‥」  そしてアルカイダの声明によって、日本の民間人も次々に殺されてゆくだろう。それはもはや政治的な殺害ではなく、ただ金目当ての殺害だ。だから簡単だし頻発するし防ぎようがない。さて、シニカルに頬を引きつらせる以外にできることがあるとすれば、一体それは何だろう。

 なお、このサイトに虐待写真がまとめられています。


Posted by gen at May 9, 2004 06:02 AM | TrackBack(0)
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