古くて新しいニュースだけれども最近知りときめいたので。「宇宙エレベータ」なるものが開発されているらしい。これは「エクアドルの西の赤道上に浮かぶ移動式の海上プラットフォームから、約10万キロ上方の宇宙空間まで伸びる幅1メートルの「リボン」を建設する」計画だ(Hotwired)。つまり海上の基地と宇宙ステーションをつなぐエレベータを作ろうという、にわかには信じがたいアイデアだ。この構想は、1895年ロシア(ソ連)物理学者のコンスタンチン・エドゥアルドビッチ・ツィオルコフスキーが著し、1959年に刊行されたものが発端とされているが、世間に広まったのは、SF小説「楽園の泉」(1979年、アーサー・C・クラーク)と、「星々に掛ける橋」(チャールズ・シェフィールド)がはじまりとされている。この「ジャックと豆の木」みたいな夢話は、なんと現在技術的にはそれほど実現不可能なものではないと考えられている。軽量で強いカーボン・ナノチューブという素材の開発により、開発は劇的に進歩したのだ。想像は現実を創造する。明るいものも、暗いものも。
そして、この「赤道上から垂直に上空に向かう約10万キロメートルの長さの「リボン」を敷設し、面倒な(そして危険な)ロケットを使用せずに物資を宇宙に輸送しようとする考え(同リンク元)」の、技術的に大きな障害は、とりわけ、リボンに衝突することが避けられないであろう大量のスペースデブリ(宇宙のゴミ)の問題であるという。
このエレベーターは宇宙へ参ります! ついに「Space Elevator」建設へ始動 (MYCOM PC WEB)大気圏外には約4時間で到達し、エレベーターの最大積載量は5トン。海上プラットフォームと宇宙ステーションを、1年に数百回の往復が可能という。通信衛星や、太陽エネルギーを利用した発電システムといった物資の輸送のみならず、人間を乗せて運行することも計画されており、手軽な宇宙旅行が実現することになるかもしれない。
実際に運行開始予定日が設定され、カウントダウンが始まっている。それは2018年4月12日、つまりあと約14年後だ。自分にとっては30代半かな。それまで生きようという気になってきた。自分の「豆の木」を伸ばしながら。でも、戦争やらテロの対象となりまたいろいろな問題が生じるんだろうなあ。宇宙の利権を巡るいいがかりと戦争の日々。どこまで拡大していって、そこでなにを得て失うのだろう。
自己感覚が拡大され、「地球人」的意識、ナショナリズムではなく真の意味での「グローバリズム」が腑に落ちるようになるのだろうか。宇宙を起点に現実味のある世界政府的構想が立ち上がったり。あるいは、脳や身体という小宇宙と同時に、やはり外部のフロンティアにも極限まで挑んでしまうのが人間の性というのだろうか(たとえば脳の神経活動の微細なレベルまで手軽にアクセスできるようになることは、体内への「宇宙エレベータ」開通といえるかもしれない)。でも難しいことを置いておいても、とにかくわくわくだ。
参考:軌道エレベータ(Wikipedia)
SDIS広報センターBlog
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