とりあえず究極の恋愛論Finalでは、抽象的に抉り出された恋愛の構造(恋愛論)ではなく、恋愛の経験その一瞬一瞬のうち、たったひとつの物語にこそ恋愛の本質があることを述べました。それでも懲りないあなたにおくる、とりあえず究極の恋愛論ブックガイド。
恋愛の科学的分析
なんといっても科学のご時世。まずは恋愛を科学的に分析した本の紹介。恋心において進化が果たす役割の重要性を繰り返し述べてきたけれども、恋愛の進化心理学的分析本としてオススメなのが、恋人選びの心―性淘汰と人間性の進化第一巻、および第二巻。決して俗流心理学の本ではなく、学術的にも価値ある一冊。翻訳者の長谷川氏の授業は実際に駒場で受講したことがあるが、彼女は日本の進化心理学の第一人者。ついでに進化論の基礎に触れてみたい方には、進化と人間行動がとっておきの一冊。進化論への日本語入門書としては間違いなく最良のもの。東大で教科書にもなってます。進化論に触れたことが無い方にとっては、おそらく目から鱗の一冊となるはず。
次に実験心理学的に恋愛を扱ったもの、すなわち恋心の心理学実験モノとしては恋ごころの科学が随一の書といえよう。これも一般向けであると同時に立派な学術書。
恋愛論
なんといっても外せないのが、あの「結晶作用」で有名なスタンダールの恋愛論。恋愛論では必ず参照される古典的名著。現代的なものとしてオススメは、独特の切れ味を放つ評論家・福田和也による悪の恋愛術。彼も徹底してドライな恋愛論を綴っています。最後に、もてないけどそれでもいーじゃん!という恋愛論としてはもてない男―恋愛論を超えてが必読の書。著者は小谷野敦 。
実践的恋愛術
女医マヤのセクシー心理学がオススメ。たとえば以前紹介した「吊り橋の実験」にしろ、それを紹介するだけではなく、それを実際にどういう風に活かせるのかまで考えて書いてある。テクニック本としては秀逸な出来。
失意のどん底で
失恋。辛い別れ。自分は酒浸りになりますが、それでも立ち直りのきっかけを与えてくれた書物をいくつか。まずは村上春樹の小説。彼の小説の主人公<ぼく>は、対象に執着しない。だからこそ読者は癒しを得られる。独特の快感がある。恋人に対して「自分の元にいてほしい」「今と同じ状態でいてほしい」という<keepへの欲望(執着心)>抱かないかぎり、恋人はそれほど自分にとって大きな問題とはならない。春樹の<ぼく>に同化すると楽になれる。次にゆける(もっとも春樹の<ぼく>はそれほど単純に執着しないとも言い切れない面も持ち合わせてはいるが)。おすすめは風の歌を聴け、1973年のピンボール、羊をめぐる冒険、ダンス・ダンス・ダンスの初期四部作。これらは全体でひとつの物語を構成している。失恋したら、とりあえず読む。そこに脱出口がある。
最後にそれでも鬱になってしまうあなたへ。鬱になったときは、そのことについて考えない方がよい。これは臨床心理学の実証的実験で確認されている。喪の作業よりも、まずはそのことについてまったく考えないこと。ここに出口がある。これは覚えておいた方がよい。参考文献として、自分のこころからよむ臨床心理学入門をあげておきます。
さて、あとは物語の縦糸と横糸を紡ぐだけ。
たまたまGENさんのサイトに出会いました。
感動しました。
同年代でこんなに影響力のある人間に(僅かながらも)出会えて光栄です。
GENさんは強度ある人間になりたいとおっしゃっておられましたが、ぶっちゃけ既になっちゃってます!!
でもきっとまだまだだと思われるのでしょうね。
GENさんの文章を読んで、なんだか私も少しだけ大きくなれたような気さえします。
明日もがんばろうと、素直に思えました。
GENさんのキャパの大きさ、柔軟さ、表現力の上巧さ、すっっごく憧れます。
大好きです!!
Posted by: 稲垣仁美 at January 20, 2005 02:05 AM
どうも、はじめまして。
コメントありがとうございます。
いや、本当にとんでもないです。
恋愛論を読んで下さっただけでも嬉しいです。
同年代として、自分の持ち場で精一杯(時にいたずらっぽく)頑張りながら、
たまには「社会」のためにも何かを為しながら、
残りの人生を踊りましょうよ。
よくわからないコメントですが、同世代というものには、
やはり共感的な愛情とライバル心を感じますよね。笑
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